スプール依頼のデフォルト保存期間の変更

ブログ記事「スプールが常に8日で削除される」でスプール依頼のデフォルトの保存期間が8日に設定されいていると説明しました。
SAP S/4HANAやSAP Netweaver AS ABAPのSAPシステムでは、スプール依頼のデフォルトの保存期間は8日になりますが、この保存期間は変更可能となります。
今回は、このデフォルトの保存期間の変更方法をご説明して行きます。
■ 前提
今回のブログ記事の前提としては、スプール依頼削除ジョブ「SAP_REORG_SPOOL」で実行しているABAPプログラム RSPO0041 / RSPO1041 のバリアントは、SAP標準バリアント「SAP&001」を使用していることになります。
具体的に下記の設定 ( スプール依頼の[削除日付]をもとに削除対象のスプール依頼を決定する ) となっていることが前提です。

■ 指定できる保存期間
最初に、指定できるスプール依頼の保存期間についてです。
SAPシステムで指定できる保存期間は、「 1日 ~ 8日 または 無制限 」となります。
■ 保存期間の変更方法
保存期間の設定は、以下の2通りの設定方法から設定します。
1.グローバル印刷設定から設定
プログラム「RSPRIPARADMIN」から保存期間を指定
2.プロファイルパラメータから設定
プロファイルパラメータ「rspo/req_lifetime」で保存期間を指定
■ グローバル印刷設定から設定
グローバル印刷設定から保存期間を変更した場合の動作を確認してみます。
デフォルトの保存期間(8日)の場合
スプール依頼の「削除日付」は「生成日付」の8日後に設定されているのが確認できます。

保存期間を1日に設定した場合
保存期間を1日に設定した場合の動作を確認していきます。
1.グローバル印刷設定変更
最初にグローバル印刷設定で保存期間を変更します。
① トランザクションコード SE38 からプログラム「RSPRIPARADMIN」を実行する。
② [印刷 Default 値]タブで「スプール保存期間」を選択して、「変更」ボタンを押す。

③ 「1 日後削除」を選択する。

④ 保存期間が「1日」に設定されたことを確認します。
⑤ 「デフォルト適用」ボタンを押して、設定を保存します。

2.スプール依頼の確認
保存期間の設定が完了したらスプール依頼を作成し、スプール依頼の「削除日付」を確認します。
「削除日付」がスプール依頼を作成した日から1日後に設定されていることが確認できます。

保存期間を無制限に設定した場合
保存期間は無制限にも設定することも可能です。
グローバル印刷設定から同じように「スプール保存期間」を「削除しない」に設定します。


保存期間の設定が完了したらスプール依頼を作成し、スプール依頼の「削除日付」を確認します。
スプール依頼の「削除日付」が「2100/01/01」という約100年後の日付に設定されていることが確認できます。
「2100/01/01」までシステムが運用されることはないため、運用上到達しない日付に設定することでスプール依頼が削除されることがなくなります。

なお、スプール依頼を無制限に保存すると、以下の問題が発生してきます。
① スプール番号の枯渇
② システムリソースの枯渇
スプール番号、システムリソースも枯渇するとシステムが停止するため、無制限の保存はお勧めしません。
■ 保存期間を 8日 < 無制限 に設定する場合
保存期間を8日以上に設定したい場合は、スプール削除ジョブのバリアントで設定することで、8日以上に保存期間を設定することができます。
バリアント設定時にデフォルトのオプションを解除する必要がありますので、注意して下さい。
オプションを解除しないと、グローバル印刷設定で設定している保存期間でスプール依頼が削除されてしまいます。
詳細はブログ記事「スプールが常に8日で削除される」を参照して下さい。